「ジャオパーユ」第3話
- 2013/12/03
- 00:08
第3話
バンヂュートは火事で家を失ったゲーオのために、新しい家を探していました。電話越しにこっそり商談をしていたところへ、オラタイが部屋に入ってきます。慌てて電話を切り平静を装ったバンヂュートでしたが、なにか感じるものがあるのかオラタイはバンヂュートの事業計画に口をだしてきます。「あなたは、私の言う通りにしていればいいのよ」と声を荒げるオラタイにバンヂュートはうんざりした気持ちに。しかし「逆らうなら、どうなるか分かっているはずよね」と含みを持たされ、再びゲーオを傷つけられるようなことがあってはとバンヂュートは不安になってしまうのでした。一方ピンは客からの指名も多く、金回りのよさそうなだということで、同僚から妬まれることもしばしば。仲間の嫉妬をやりすごし仕事を終えたピンの前に、ウィーが現れます。「もう電話しないって言ったのに、私を迎えに来てくれたの?」というピンにウィーも不敵な笑みを見せます。その日は車の展示会があり、ピンはコンパニオンとして客の相手をしていたのでした。「興味があるのは車?それとも・・・」と誘われ、ピンはウィーとドライブに出かけます。一方その頃、ファーサイはタクシーで移動中。しかし乗っていた運転手から「ちょっと用ができたから」と無理やり途中で車から降ろされてしまいます。悪態をつきながら荷物を拾っていたファーサイの前に、偶然車でロムが通りかかります。ファーサイをからかいながらも「乗るかい?」と声をかけたロム。ファーサイはしぶしぶ車に乗り込みますが、「どこまで送ろうか」というロムに「気が変わったわ。先におじいさまのお見舞いに行く」と言い出します。ファーサイのおせっかいに内心むっとしてしまうロム。その頃シワーは弁護士を呼んで遺言書を作らせていました。話が終わってちょうど弁護士を返そうとしたところへ運悪くオラタイが入ってきます。「ロムなんかに遺産を分けるのは反対だわ」とロムと後妻のアーパーを口汚く罵るオラタイに、シワーは「憎むなら私だけにしろ」と反論。「言うなら言えばいい。だけど私はもう決めた。ロムに遺産の半分をやる」と宣言するシワーに、オラタイは「お父様の考えはよく分かったわ」と病室を出て行ってしまいます。
アーパーはシワーのために食事を作ってお見舞いに行く準備をしていました。そんなアーパーに、サムリーが「実は昨日・・・」とロムとファーサイが一緒にいたことを話します。「とても仲良さそうな感じでしたよ」というサムリーに「ロムには恋人がいるのよ」と窘めるアーパー。アーパーの家の隣は空き家で、今日新しい住人が来ることになっていました。その家を買ったのは、バンジュート。デートと一緒に家にやってきたファーサイを見たサムリーは、ふたりを新婚夫婦だと勘違いして勝手に盛り上がります。一方バンヂュートは、新しい事業計画のため商談に出ていました。バンヂュートは「ザ・グローリー」という大ホテルのオーナー一族ではありましたが、いつかはグローリーから離れて自分の事業を起こしたいと考えていたのです。一方、ウィーに連れられてホテルまでやってきたピン。「ここが僕のホテルなんだ」といつものようにピンを部屋へ誘いこむウィー。「大事な客しか通さない部屋だよ」というウィーに、ピンは「あなたの大事な客って誰かしら?」とうそぶいてみせます。「そろそろ仕事に戻らないと」と白々しく時計を見るピン。ウィーはすっかり口説きモードで、ピンも駆け引きを楽しんでいる様子。その頃ファーサイを乗せて病院へ向かうはずだったロムは、適当に車を走らせていました。「なにが今更父親だよ」というロムに「そうね。私は孤児で、両親の顔も知らない」と言います。少しきまずくなったロムでしたが、ファーサイはロムの携帯電話の待ち受け画面にピンが写っているのを見てしまいます。「ピンを知ってるのか?」というロムに、ファーサイは「ピンもなにも好き好んでこんな男と付き合うなんてね」と嫌みを言うのでした。新しい家にやってきたゲーオとデート。自分の好みにぴったりだとゲーオは声を弾ませ、デートはそんなゲーオを優しく見守ります。しかしその頃、オラタイは部下と一緒にこの新しい家の近くまでやってきていたのでした。部屋で休んでいたふたりは、チャイムの音に気づきます。「バンヂュートさんが様子を見にきたのかも」とデートが応対に出ます。しかし何度もチャイムを鳴らす音に、「うるさいわね!」と隣の家からサムリーが出てきます。サムリーはオラタイに気づきます。オラタイも中へ。結局ゲーオとオラタイが顔を合わせることはありませんでした。
ずかずかと家に入ってきたオラタイを追い返そうとするサムリーの叫び声に、アーパーも出てきます。「忘れたの?私はどんなことだってする女よ」とすごむオラタイに、サムリーが「なにを言うの!」と反論。オラタイの部下がサムリーを殴りつけ、さらにオラタイはアーパーに近づいていきます。「私の父に近づかないと言いなさい」と迫るオラタイ。口ごもるアーパーをオラタイは全力で殴りつけます。一方その頃、何も知らないロムは「一度家に帰って母さんを迎えに行く」と言い出します。ロムが病院に行く気になったことに少し安心したファーサイでしたが、家に到着する直前、オラタイは部下に命じてアーパーを階段から突き落とさせます。物音に気付いたロムはすぐさま家に入ります。倒れているアーパーとサムリーに気づいたロムは逆上。オラタイにつかみかかろうとしますが、ファーサイが「まずは病院へ運ばなくちゃ」と言います。アーパーを抱えたロムに、オラタイは「わざとじゃないのよ」と言いそのまま部屋を出ていきます。頭から血を流していたアーパーは病院で手当てを受けますが、ロムは母を守れなかったことに怒りが抑えられません。「落ち着いて。きっとおばさんは大丈夫よ」とファーサイは言いますが、ロムは「10年以上もずっと平和な家だったのに」と、すべてが狂ってしまったのはシワーのせいだと言います。「僕だって、心の冷たい人間じゃない。だけど、こんなことが起きるんじゃないかと心配だったんだ」というロムに、ファーサイも辛い気持ちになってしまいます。オラタイがこのままアーパーを放っておくわけがないというロムに、ファーサイはなにも言えなくなってしまうのでした。一方、ピンと関係を持ったウィーは、ピンの携帯にロムからの着信があることに気づきます。「彼氏からの電話だけど、出るかい?」というウィーに、ピンは笑って電話をとります。母が入院したため、夕方の約束は無理になったというロム。「それならお見舞いに行くわ」と電話を切ったピンでしたが、ウィーは「病院なんて、病人しかいない」と再びピンをベッドに押し倒してしまうのでした。
夜になり帰宅したオラタイの前に、退院したてのシワーが現れます。「どうして今日、迎えにこなかった?なにをしていた?」というシワー。遺産の半分をロムに譲ると言ったことが関係しているのではないかと察したシワーに、「遺産を受け取る気になるかしらね」と含みを持たせるオラタイ。「どういう意味だ?」と問いただしても答えないオラタイに、シワーはオラタイがなにか自分に隠しているのではないかと察します。一方ピンはアーパーの見舞いに行きます。「もう転ばないでくださいね」と病室を出ようとしたピンに、たまりかねたサムリーが一部始終を話してしまいます。このとき初めてロムがシワーから遺産の半分を受け取ることになると聞かされたピン。ロムが金持ちになるのなら、今ロムから離れるわけにもいきません。その頃ファーサイは、改めてオラタイに事情を尋ねます。ふたりが話をしているのを耳にしたシワーは「いったいなにをしたというんだ」とオラタイに尋ねます。オラタイはなにも答えませんが、そこへなんとロムが訪ねてきます。部屋に通されたロムは、怒りに任せオラタイがアーパーにしたことをすべて話します。「今日、ここへ来たのは、あなたに、あなたからの遺産なんて受け取るつもりはないと言いにきたんです」ときっぱり言うロム。部屋に入ってきたオラタイに「もう我慢しないぞ」と言い残し、さっさと屋敷をあとにするロム。「お父様・・・」と言いかけたオラタイを、シワーは力任せに殴りつけます。「おまえがそこまで心の醜い女だとは知らなかった。遺産の残り半分はファーサイに譲る。おまえにはなにも残さない」と言うシワーに、オラタイは愕然とします。ふたりのやり取りを聞いたファーサイは、その後オラタイに「私がおじいさまに話をしてみます」と訴えます。シワーとバンヂュート、オラタイに対する恩義からそう口にしたファーサイでしたが、オラタイは「ウィーとの結婚も考えてくれる?」と言います。「彼には恋人がいますし・・・」と口ごもるファーサイに「恋人がいなかったら?」と畳みかけるオラタイ。ファーサイは困ってしまいます。
ロムと連絡がつかないというサムリーからの電話を受けたピン。「またお見舞いにいくと伝えて」というピンの前に、ウィーが現れます。「すっかりいい恋人気取りだな」と嫌みをいうウィーを軽く窘めたピン。そこへサラーライが現れます。サラーライの登場にはっとするウィーでしたが、ピンは動じることもなく「初めまして。サラーライさん」と挨拶をします。サラーライは大臣の娘で、ピンも顔と名前くらいは知っていたのでした。「私のこと、知ってるのね」とピンを値踏みするように見つめるサラーライ。ピンがコンパニオンの名札をつけていることに気づいたサラーライはあからさまにピンを見下します。「なにをしにきたんだ」と事態の収拾を図ろうとしたウィーに、「車を買いにきたのよ。それともなにかほかに買うものがあるの?」とピンに嫌みを言うサラーライ。「スターウィーさんは、古い車にはうんざりしてるみたいですね。新しい車を見に来られたんですよ」とピンもそれとなく言い返します。その言葉に、ウィーの浮気を確信したサラーライ。「一度くらいの火遊びならなにも言わないわ。だけど次は許さないわよ」というサラーライに、ウィーはなにも言わずその場をあとにしてしまいます。その後もサラーライと話をすることなくさっさと部屋に入ってしまったウィー。鍵を持っているサラーライはずかずかと入ってきて話をしようとしますが、そこへオラタイが入ってきます。「邪魔をして申し訳ないわね。でも、お父様はこのことをご存じなのかしら?」というオラタイに「父は父、私は私ですよ」というサラーライ。「なんの用?」とうんざりした表情を見せるウィーに、オラタイは「家族の話があるから」とサラーライを部屋から追い出し、さらに鍵まで奪ってしまいます。その後、ウィーに「サラーライと別れなさい」と説教をするオラタイ。「いいよ」とあっさり答えたウィーに、オラタイは「もしかしてもう新しい女がいるの?」と言います。「母さんの言うことに従うさ」というウィーに、オラタイは再びファーサイと結婚するよう迫ります。「お父様が、ファーサイに遺産の半分を譲ると言っているのよ」というオラタイ。「僕の幸せは?」というウィーに「あなたは私の言うことを聞いていればいいの」とオラタイは言います。
ゲーオの家には家具が運び込まれます。バンヂュートも率先して引っ越しを手伝います。引っ越しの様子をこっそり見に来たサムリーは、相変わらずまだファーサイとデートが新婚夫婦だと思い込んでいました。バンヂュートの姿に「あの人は誰かしら?」と訝しがります。のぞき見をしているサムリーに気づいたロムが声をかけに来て、ふたりはアーパーの見舞いに行くことに。同じころ、ファーサイもアーパーの見舞いに来ていました。「こんにちは」と笑顔で挨拶をしたファーサイでしたが、ロムの顔をみて「あなたもいたの?」と嫌な顔をします。「せっかくだけど、もう退院なのよ」というアーパー。「家で食べてください」と果物を渡そうとしたファーサイでしたが、ロムはそのかごの中にカードが入っているのを発見してしまいます。カードの差出人はシワーでした。
オラタイが恐い!「私はなんでもする女よ」と自分でも言っていましたが、このままでは本当にアーパーは殺されてしまうかも。そしてファーサイは、自分の叔母のような存在のオラタイが、自分の欲を満たすためには人を傷つけても平気な人間だと知ってきっとショックだったことでしょう。ファーサイは孤児で、バンヂュートに引き取られ、養女として育てられてきたわけですが、こんな家庭環境でよくあんなにまっすぐいい子に育ったものですよ。オラタイにとって、ロムは母親違いの弟です。アーパーが憎い気持ちは分かりますが、それにしてもやりすぎですよね。シワーはそんなオラタイに心から失望しています。財産も譲らないと宣言したシワーでしたが、ファーサイとウィーが結婚すればきっと丸く収まると考えているオラタイ。「僕の幸せは?」と言っていたウィーの言う通り、そこにウィーとファーサイの気持ちというものはありません。そんな結婚をしても、むなしいだけですよ。
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