「クムナーンクルアン」第15話
- 2014/05/12
- 12:11
第15話
ラーチェンが戻ってきたときには、もうすでにピムダーオとペットの姿はありませんでした。少しがっかりしたラーチェンでしたが、そこへピムドゥアンがやってきます。「おなかがすいてしまって」と無邪気に言うピムドゥアンに、ラーチェンは先ほど薬を混ぜたジュースを飲ませます。そのまま眠り込んでしまったピムドゥアンを抱きかかえ運んでいたラーチェンでしたが、その場をス夫人に見つかってしまうのでした。一方いつまでもたっても戻ってこないピムドゥアンを心配するピムダーオ。電話をかけてもかからず、ますます心配になります。ラーチェンから開放されたピムドゥアンはふらふらしながらどうにか自分の部屋まで戻ってきますが、眠くてよくわかりません。そこは自分のコテージではなくあろうことかタリーポップとタリンの泊まっている部屋だったのでした。自分のベッドでピムドゥアンが眠っていることにタリンはびっくりしてタリーポップを呼びます。その後ピムダーオも交え話をするタリン。ピムドゥアンがなにか薬を飲まされたに違いないというタリンに、ピムダーオはラーチェンの仕業だと察しますが、タリーポップは「証拠もないのにめったのことを言うものじゃない」と言います。その後、タリーポップと話をするピムダーオ。「明日からは、お互い気を付けよう。よくないことを考えてる奴がいるかもしれない」というタリーポップにうなずくピムダーオ。帰ろうとしたピムダーオを呼び止め、タリーポップは「最近、まだ不思議な夢をみているか?」と尋ねます。お守りが戻ってきてから、夢はみなくなっていたピムダーオ。タリーポップは「それはよかった」と言いますが、ピムダーオが返ったともひとりでじっと考え込むのでした。一方その頃、ヨードラーは自らの手でよみがえらせた導師テンと話をしていました。自分を封印したバーシリー、つまりジャルーイに制裁を加える、さらにヨードラーの願いを叶えるべく、術を授けるというテンの言葉にヨードラーは目を輝かせます。
ウィアンゲーオのまわりにはギャングの隠した財宝があると信じられており、肝試しに訪れるものたちがあとを絶ちません。そんな若者をおびき寄せて殺し、奪った内臓を使ってテンの術が始まります。術によりヨードラーは肉体を手に入れ、現世に蘇ります。復活を遂げたヨードラーは、前世のままに美しく、パンとプアンは大喜び、ゲーオは恐ろしい術の力に言葉を失います。一方、ス夫人は今回の撮影にかかった費用を計算していました。いろいろとトラブルもあったとはいえ、ウィアンゲーオでの撮影は経費の節約になっているとス夫人は言います。その頃ピムダーオとペットは、ピムドゥアンが調べ上げてきたこの地の史実について話をしていました。ヨードラーについての記述がないことに困惑するピムダーオ。一方ラーチェンとリンジーは話をしていました。タリーポップを自分がなかなか口説き落せないのは、ラーチェンがピムダーオを口説くのが下手だからだというリンジー。「うまくいったら、ご褒美をくれよ」というラーチェンにリンジーはますますむっとするのでした。その日、ゲーオは一同を集めて話をします。「親類がみなさんをパーティーにお招きしたいと言っています」というゲーオ。親類とは誰かと尋ねられたゲーオは「セーンラーさまです」と答えますが、その名前になんとなく不信感を持ってしまうピムダーオ。パーティーには、ターダーをはじめ地元の有力者など大勢がやってきます。そんななか、ピムダーオに声をかけたタリーポップ。「今日の君はとっても綺麗だね」というタリーポップに「今日は気分がいいのに、余計なことを言わないでちょうだい」とピムダーオは怒りその場をあとにしてしまいます。タリンもピムドゥアンに声をかけていました。相変わらずタリンを毛嫌いしているピムドゥアンは「服が地味すぎる」と言われすっかり腹を立ててしまいます。一方夜になっても主催であるセーンラーは訪れず、ス夫人は苛立ちを募らせます。その後、ゲーオの紹介により、とうとうセーンラーが一同の前に姿を現します。その姿は夢で見たヨードラーの姿にそっくりでした。ピムダーオとタリーポップは言葉を失います。
セーンラーは一同の前でピアノを弾きます。セーンラーを見て、タリーポップは無意識に「ヨードラーさま」と口にし、ピムダーオも「お姉さま・・・」と愕然とします。リンジーは「私を騙した幽霊よ!」とビービーに耳打ちしますが、セーンラーのピアノの聞きほれている一同には聞こえません。どうして自分たちの見た夢に出てきたヨードラーと、このセーンラーがここまで似ているのか困惑するピムダーオ。セーンラーのピアノはときに美しく、ときに怪しく恐ろしく鳴り響き、演奏を終えたのち会場には大きな拍手が沸き起こります。タリーポップのほうをじっと見つめるセーンラーから、タリーポップは目を離すことができません。その後、改めてゲーオからセーンラーを紹介されたタリーポップ。「お会いできて光栄です」というタリーポップに「私ほど、あなたに会えてうれしく思っているものはいませんわ」とセーンラーは言います。その後ピムダーオに声をかけたセーンラーでしたが、ピムドゥアンの首にお守りが下がっているのを見つけたセーンラーは、それ以上近づけません。ビービーもセーンラーを紹介してほしくてセーンラーに近づいてきますが、セーンラーが自分を騙した幽霊だと思い込んでいるリンジーは近づくのをいやがります。一方セーンラーの美しさと妖艶さに興味を持ったラーチェンは、さっそく挨拶にいきます。「先ほどのピアノは本当に素敵でした」というラーチェン。そこへピムダーオがやってきます。「このお屋敷の先代は音楽に精通しておられたと聞いています」というピムダーオに、ヨードラーは慌てることもなく平然としています。
ピムダーオに危害を加えることはやめてほしいというゲーオに、セーンラーは「私はテープさまを心から愛していた。私からあの方を奪ったダーラーライを絶対に許さない」と言います。なみなみならない決意を口にするセーンラーに、ゲーオは不安を隠せません。一方ピムダーオも、自分の夢に出てきたヨードラーと、あのセーンラーという女性があまりにも似ていることに困惑したまま部屋に戻ってきます。「なにかあったの?」と心配するピムドゥアンに、夢に出てきたヨードラーとセーンラーが酷似していることを話します。タリーポップもタリンにそのことを話していました。現実離れした話にタリンは困惑しながらも「人の脳というものは、勝手に記憶を作りかえることもあるんだぞ」というタリンに「絶対に間違いない」ととまで断言するタリーポップ。その頃、リンジーはすっかり酔いつぶれて部屋へ戻ってきます。ヨードラーにひどい目にあわされたことのあるリンジーも「セーンラーは絶対に幽霊だ」とうわごとのように言い続けます。とはいえリンジーの話などだれも信じず、リンジーはすっかり機嫌をそこねてしまうのでした。パーティーを終えたもち、ヨードラーに改めてセーンラーとして一同の前に現れたことに対する感想を尋ねるゲーオ。生前と同じような肉体と力を手にいれたことで、ダーラーライに対する復讐心を新たにするヨードラー。そこへ導師テンが現れます。「あなたの肉体は、まだ完全ではない。力を使えば使うほど、疲弊してしまう」と言います。それでも自分は、ダーラーライに復讐したいと訴えるヨードラーに、テンは「そこまで言うのなら、協力しよう」と言い、ヨードラーは安心するのでした。翌日、まだセーンラーのことが頭から離れないピムダーオ。セーンラーから向けられた敵意のような視線を思い出すと、ピムダーオはやはり落ち着かない気持ちになるのでした。
考え込んでいたピムダーオの前に現れたタリーポップ。お互いに前を見ていなかったためぶつかってしまい「気を付けなさいよ」「君のほうこそ」とさっそく言い争いになるふたり。しかし今回のドラマの話になり「薬を盛ったり、男をたぶらかしたりするような役は初めてだろう?」とタリーポップに言われ、ピムダーオは「ドラマの話だけじゃないのかもしれない」と言います。そんなふたりの様子を、セーンラーがこっそり見ていました。その後、セーンラーのもとへ呼ばれたゲーオ。ターダーがなにものなのか尋ねるセーンラーに、ゲーオは知っている限りのことを話しますが、セーンラーはターダーになにか下心があるような気がしていました。そんなターダーの下心を逆手にとろうとするセーンラー。ゲーオは心配しますが、そんなゲーオの視線に、セーンラーは「私をそんな目で見て、いったい何を考えているの」と不快感をあらわにします。「私はあなたに心酔しています。いけませんか」というゲーオに、セーンラーは「準備があるから、出て行って」と命じます。思いがけないゲーオの告白に、セーンラーは自分の美しさと魅力に改めて慢心するのでした。
今までのヨードラーは実体をもたないただの幻。しかし術によって不完全ながらもとうとう肉体を手に入れてしまいました。この機会に、どうにかしてピムダーオからタリーポップを奪ってしまいたいヨードラーでしたが、この地に滞在しタリーポップと過ごすうちに、ピムダーオにもダーラーライとしての記憶がなんとなく戻りつつあるような。そもそも、ダーラーライとテープは再び同じ時代に生まれ変わっているのだから、前世に悪行をしたはずがないのです。同じ時代に生まれ変わることがなかったヨードラーが、悪行を働いたのですよ。嫌な予感をぬぐえないピムダーオを、タリーポップは守ってあげられるのか。そしてゲーオは、実体を持ったセーンラーに対し、好意以上の感情を持ちつつある様子。このことがゲーオを苦しめ、タリーポップを裏切る結果にならなければいいのですが。そしてターダーも、このままではなんとなく利用されてしまうような気がしますよ。
「あいつは幽霊なのよ」というリンジー、正解です。
「あいつは幽霊なのよ」というリンジー、正解です。
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